紅茶の茶葉は、ウーロン茶や緑茶の茶葉とはどのように違うのでしょうか?
今回は、「紅茶の原料となっている茶葉のこと」や「紅茶の種類や産地にのこと」などを中心に軽くご紹介していきます。
また、紅茶の保存方法や賞味期限なども合わせて説明しますので、いつでも新鮮で香り高い紅茶をの味を楽しんでみましょう♪
紅茶の生産地はかなり広く、北はロシアから南はアルゼンチンまで30か国以上にも渡る地域で栽培されています。
紅茶の原材料は、ツバキ科ツバキ属の学名カメリア・シネンシスといわれている茶の木の葉を加工したものです。
実は、緑茶やウーロン茶も紅茶と同じ茶の木の葉から作られています。
では、「紅茶との違いは何か?」というと、茶葉の発酵度合いです。
茶葉を100%近く発酵させたものを紅茶といい、茶葉を発酵させる途中で加熱して発酵を止めたものをウーロン茶、茶葉が発酵する前に蒸したり炒ったりすることで発酵を止めたものを緑茶といいます。
私たちが、普段飲んでいる緑茶も加熱せずに十分に発酵させれば、「和紅茶」と呼ばれる紅茶になります。
紅茶に使われる茶の木の品種は、大きく「中国種」と「アッサム種」とに分けることができます。
アッサム種のほうが中国種よりもタンニンの含有量が多く、深みのある濃厚な味わいがするため、ミルクティーなどに向いています。
タンニンの少ない中国種は、あっさりとして飲みやすく冷えても濁りにくいため、ストレートティーやアイスティーに向いています。
ですが、一部例外もあります。
インドはアッサム種を中心に栽培していますが、インドのダージリン地方ではヒマラヤ山脈の裾野で中国種を移植したものやアッサム種と交配し品種改良したものなどが栽培されています。
これがダージリンと呼ばれている紅茶で、独特で上品なマスカットフレーバーと呼ばれる香りと味わいがする人気の紅茶が生産されています。
優良な紅茶の茶葉が生産できる地域として有名なところは、インド、スリランカ、中国です。
特にインドのダージリン、スリランカのウバ、中国のキーマンは、「世界三大銘茶」と呼ばれる紅茶の生産地として世界的にも有名です。
他にもケニアやインドネシア、日本などでも紅茶は生産されています。
アフリカの紅茶は、アジアよりもヨーロッパへの距離が短いことから、近年生産が急速に伸びています。
生産地はケニアの他に、マラウイやタンザニア、ジンバブエなどが挙げられます。
香りや味に大きな特徴はなく、すっきりとして飲みやすい味わいのため、主にブレンドティーとしての需要が高まっています。
インドネシアは世界第5位の生産国で、主にジャワ島とスマトラ島で生産されています。
ジャワ島の紅茶の味はやや軽めのストレート向きの紅茶、スマトラ島の紅茶は濃い水色でコクのある味わいがあり、ストレートで飲んでもミルクティーでも向いています。
日本で作られる紅茶は和紅茶と呼ばれ、中国のキーマンに近いさっぱりとした味わいと独特の風味があって、とても人気があります。
購入したばかりの紅茶は、新鮮でとてもいい香りがしますが、この香りも次第に少なくなり古めかしい香りに変化してきます。
そこで、少しでもこの紅茶の香りをキープするために、最適な状態で保存するようにしましょう。
紅茶は高温多湿と直射日光などの強い光や臭いを嫌います。
そこで、缶や陶器などのしっかりと蓋のできる密閉容器に入れて、常温の臭いの無い場所で保管するのが望ましいとされています。
冷凍や冷蔵保存は室温に出したときに温度差によって結露してしまい、結露で茶葉が湿気を吸ってそこから傷んだりカビが発生したりしますので、NGです。
ですので、紅茶の保存は、必ず常温がおすすめです。
夏場、どうしても室温が高くなる場合は、光が入らないできるだけ風通しの良い涼しい場所を選んで保管するようにしましょう。
紅茶は適切に保存すると、フレッシュな紅茶の香りを長くキープすることが可能ですので、ぜひそのような場所を見つけておきましょう。
紅茶の賞味期限は、紅茶の種類や何とブレンドされているかによっても違いが出てきます。
そこで、購入時の袋や缶に印字されている賞味期限を見て判断しましょう。
ただし、そこに書かれている日付は未開封の場合の賞味期限です。
開封した場合は、美味しく飲める期間は1か月程度が目安です。
特にフレーバーが付いた紅茶や茶葉が細かくカットされた紅茶、ティーバッグなどは通常の茶葉よりも香りが抜けやすくなっています。
ですので開封した後は、できるだけ早めに飲み切ってしまったほうがいいと覚えておきましょう。
とはいうものの、「うっかりと紅茶を飲み忘れて古くなってしまった!」ということもあるかもしれません。
そのような紅茶はストレートで飲むよりも、少し濃いめに出して牛乳を入れて飲むことをおすすめします。
アッサム種のノンフレーバーであれば、紅茶を煮出して牛乳を入れ、スパイスを数種類入れて作る「チャイ」がおすすめです。
チャイはスパイスの香りを強く感じる紅茶ですので、茶葉の香りが多少劣化していたとしても気にならずに飲むことができます。
紅茶もウーロン茶も緑茶の違いは、茶葉の種類の違いではなく、発酵度合いの違いによって決まってきます。
日本ではわずかですが、紅茶を作っている農園があります。
日本の紅茶は、どこかほうじ茶を感じさせるような独特の風味があり、とても日本人の口に合った飲み物です。
専門店やネットなどで、和紅茶を見掛けたらぜひ一度飲んでみてはいかがでしょう♪
和紅茶の独特な繊細な香りを感じるためには、やはり賞味期限と保管場所が大切です。
適切な温度で保管し、開封したらできるだけ早めに飲み切ってくださいね。